常ズレ草

なんでも屋。備忘録のため読ませる気ゼロ。

2017統計学Ⅱ  NO.4 問5 解説

問題5 個人的な難易度★★★ 


母集団分布が次のような密度をもつ連続型の分布であるとする。


  x^n = \left\{ \begin{array}{ll}

     \frac {1}{\theta^2}  xe^{-x/ \theta} & (x\geqq0) \\
    0 & (それ以外)

  \end{array} \right.

ここから得られた5個の標本の値が、2.4,3.2,3.0,2.8,3.0であった。未知のパラメータ\thetaを最尤法で推定するとき、その推定値を求めよ。




〜解き方手順〜


他の問題と違って電卓ゲーではないため、そもそも数学がすっごく苦手な人は捨てちゃいましょう。今回は、対数と微分はなんとかなるって人なら問題ないと思います。

この手の推定値の問題は、「最大値を満たす値を求める」とおんなじです。つまり数Ⅱでやった「微分して=0に置く」が出来ればOKです。


テスト解けりゃいいよって人は、尤度関数=標本の数だけ掛け算する程度に思ってくれてれば

1,尤度関数を立てる。
2,尤度関数を対数で置き換える。
3,できた対数尤度関数を微分
4,最大値を満たすθを求める。

基本的な流れ自体は難しくないんだけど、対数、微分等の高校でやった数学がアウトだとキツイ



〜解説〜

まず尤度関数L(\theta)を作るところから、
素数が5個なので

 \begin{eqnarray}
L(\theta) &=& \prod_{i=1}^5 \frac {1}{\theta^2}  x_ie^{-x_i/ \theta}
\end{eqnarray}


この\Piは「i=1のときの値からi=5のときの値まで掛け算します」って記号
だから

L(\theta)=
\frac {1}{\theta^2}  x_1e^{-x_1/ \theta} ×\frac {1}{\theta^2}  x_2e^{-x_2/ \theta}×\frac {1}{\theta^2}  x_3e^{-x_3/ \theta}×\frac {1}{\theta^2}  x_4e^{-x_4/ \theta}×\frac {1}{\theta^2}  x_5e^{-x_5/ \theta}


後々対数に直すから、掛け算ごとに分解しておく。
今回は \frac {1}{\theta^2}xe^{-x_i/ \theta}の掛け算だから3つに分解。


\begin{eqnarray}
L(\theta) &=& (\frac {1}{\theta^2})^5  ×\prod_{i=1}^5x_i × e^{\sum_{i=1}^5 -\frac{x_i}{\theta}}\\\\
L(\theta) &=& ({\theta}^{-2})^5 ×\prod_{i=1}^5x_i × e^{\sum_{i=1}^5 -\frac{x_i}{\theta}}\\\\
L(\theta) &=& {\theta}^{-10} ×\prod_{i=1}^5x_i × e^{\sum_{i=1}^5 -\frac{x_i}{\theta}}
\end{eqnarray}


今度はこれを対数に直す。


\log L(\theta) = \log ({\theta}^{-10} ×\prod_{i=1}^5x_i × e^{\sum_{i=1}^5 -\frac{x_i}{\theta}})


\logの掛け算は足し算に直せるから


\log L(\theta) = \log {\theta}^{-10} +\log (\prod_{i=1}^5x_i ) + \log(e^{\sum_{i=1}^5 -\frac{x_i}{\theta}})


例として\log x ^ 2 = 2\log xになることと\log e ^ {2x} = 2x になることを使って
(真ん中の項は後々\theta微分したときになくなるから放置)


\begin{eqnarray}
\log L(\theta) &=& -10 \log \theta +\log \prod_{i=1}^5x_i  + \sum_{i=1}^5 -\frac{x_i}{\theta}\\\\
\log L(\theta) &=& -10 \log \theta +\log \prod_{i=1}^5x_i  -\frac{1}{\theta} \sum_{i=1}^5 x_i
\end{eqnarray}


ここからやっとこ微分します。

\begin{eqnarray}
(\log x)' = \frac{1}{x}\\\\
(\frac{1}{\theta})' = (\theta^{-1} )' = -{\theta}^{-2}
\end{eqnarray}

になることを使って
上の式を\thetaについて微分して=0とおくと


\begin{eqnarray}
\frac{d\log L(\theta)}{d(\theta)} &=& \frac{-10}{ \theta}  + \frac{1}{\theta^2} \sum_{i=1}^5 x_i &=& 0
\end{eqnarray}


両辺に\theta^2をかけて整理すると、
 

\begin{eqnarray}
 -10{\theta}  +\sum_{i=1}^5 x_i &=& 0\\\\
10{\theta} = \sum_{i=1}^5 x_i \\\\
{\theta} = -\frac{1}{10}\sum_{i=1}^5 x_i
\end{eqnarray}


あとは\begin{eqnarray}\sum_{i=1}^5 x_i\end{eqnarray}の値を出す


\begin{eqnarray}
\sum_{i=1}^5 x_i &=& 2.4 + 3.2 + +3.0 + 2.8 + 3.0\\
&=& 14.4
\end{eqnarray}


したがって答えは


\begin{eqnarray}
\theta &=& \frac{1}{10} ×14.4 \\\\
&=& 1.44
\end{eqnarray}